本制度は、小規模事業者等に対する経営指導を金融面から保管する制度として、商工会等の推薦に基づき、日本政策金融公庫が、無担保無保証で事業に必要な資金を融資するという他には見られない制度となっています。このため、商工会等には、本制度の趣旨を十分に踏まえた制度の運用が要請されております。
つきましては、今後とも制度の健全な運営を図り、更に本制度を一層充実したものとするため、下記事項について改めてご案内いたします。

1.融資のあらまし
「経営を改善するために事業資金を借りたいが、担保もないし保証人もいない…」といった小規模事業者の悩みを解決するために設けられた国の融資制度です。商工会が経営指導に基づいて日本政策金融公庫に推薦することで、無担保・無保証人・低金利で融資が受けられます。

2.ポイント
①商工会が小規模事業者の資金繰りを支援します。
②2,000万円までの融資が受けられます。
・日本政策金融公庫が運転資金や設備資金を融資します。
・従業員が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の法人・個人事業主の方が対象です。
・平成26年1月7日から、サービス業のうち、宿泊業、娯楽業(映画館等)の従業員要件が緩和され、従業員20人までの事業者が新たに融資対象になりました。
・1,500万円超の融資を受ける場合には、融資前に事業計画を作成し、融資後に融資残高が1,500万円以下になるまで、経営指導員による実地訪問を半年毎に1回受けていただく必要があります。
③無担保・無保証人・低利で融資が受けられます。
・金利:1.21%(平成31年4月1日改訂)
・貸付期間:運転資金7年以内、設備資金10年以内
④商工会・商工会議所の経営指導を受けていることが要件です。
・貸付対象者:小規模事業者であり、以下の要件を全て満たす方
※商工会又は商工会議所(以下、商工会等)の経営指導員による経営指導を6ヶ月以上受けていること。(商工会等の会員である必要はありません)
※所得税、法人税、事業税、都道府県民税などの税金を完納していること。
(納税すべき税額がゼロの事業者も本制度を利用できます)
※同一の商工会等の地区内で1年以上事業を行っていること。
※借り入れ後半年以内に経営指導員の実地訪問等を1回受けること。

3.ご利用時の留意点
①返済期日前には預金残高は確認をお願いします。
決められた期日に借入金の返済(口座からの自動引き落とし)ができないと、それだけで評価を落としてしまい、次の融資にも影響してきますので注意が必要です。特に起こりやすいのが残高不足ですので、決済期日前には必ず通帳残高の確認をお願いします。
②資金繰り表を作りましょう。
いつ入金があって、いつ支払いがあるのか。現金の流れを知るのに資金繰り表の作成は大変重要です。これがないと現金の流れが読めず、資金の手当てがつかない場合、最悪倒産ということもありえます。最低でも3ヶ月先までの資金繰り表を作りましょう。作成方法については、商工会まで。
③月々の返済が厳しくなったら…
リスケジュール(条件変更)は相談が早いほど選択肢があります。商工会もしくは日本政策金融公庫へ早目にご相談をお願いします。
④返済の義務について
「無担保無保証」を「返せなくなったら返さなくてよい」と解釈している事例がインターネット等で見られるようです。この認識は大きく間違っており、債務者の返済義務は消滅しません。正しい認識と無理のない返済計画でご利用をお願い致します。
⑤借換えについて
本資金は制度上借換えすることが認められています。しかし、事業主の年齢、後継者の有無、財務内容によっては返済期限の短縮や減額など厳しい条件が付く場合があります。借換えが常態化している事業者は、早めに経営改善などの対策が必要です。